ハーネス通信は、関西盲導犬協会と盲導犬ユーザー、そして支援者の皆さんをつなぐ季刊誌です。年4回発行され、点字版、録音テープ版と紙刷り版があります(文章の内容は同じです)。ここでは、「ハーネス通信」の一部をインターネット版として掲載しています。ご意見、ご感想はこちらまで。
明けましておめでとうございます。役職員をはじめ会員、ボランティアの皆様方には、お健やかに新年をお迎えになられましたこととお喜びを申しあげます。
しかしながら、東日本では、昨年3月11日、わが国がかつて経験したことのない未曾有の大震災とそれに伴う大津波に襲われました。そのうえ、原子力発電所の損壊による放射線災害で、多くの人が安心をして生活のできる場所が失われるなど、まさに大災害となりました。それらの報道に接するたびに命の尊さをあらためて思う今日この頃でございます。ご親戚やお知りあいの中にも、この災害に遭われて亡くなられた方がおられ、寂しいお正月となった方もいらっしゃるものとお察し申しあげますが、亡くなられました多くの命に対しましては、心からお悔やみを申しあげますとともに、1日も早い復旧・復興をお祈りしているところでございます。
さて、当協会は一昨年、役職員をはじめ、会員、ボランティアの皆さん方のご協力、ご支援のおかげで、ご案内のとおり、公益財団法人としての新しい出発点を迎えることができましたが、さらに昨年度は、内閣府に提出している定款関連規程の改正(一部修正ならびに文言修正)を行うとともに、内閣府に提出していない各種規程の改正ならびに文言の修正をするなど、定款・規程等の整備をすることができました。
さらに、新年を迎えて、宿直制度の改善、事業等の推進・内容の刷新等、さらに、施設の改善・修復整備などに取り組む所存でございますので、皆様方にはいっそうのご支援ご協力を賜りますようお願いを申しあげます。
これからは,日ごとに寒さも厳しくなるでしょうから、インフルエンザのようなたちのわるい風邪なども流行することでしょう。皆様方には、くれぐれもご健康にご留意を賜りますようお祈り申しあげ、ごあいさつといたします。
公益財団法人関西盲導犬協会
会 長 串 田 壽 明
更新日:2012-01-04
「身体障害者補助犬法」が施行され、今年で10年目を迎えます。この節目の年を迎えるにあたり、「身体障害者補助犬法」とはどんな法律なのか、もう一度考えてみたいと思います。
Q:いつ できたの?
A:2002(平成14)年、第154回国会において全会一致で可決され成立、10月1日から施行されました。
Q:なんのために できたの?
A:身体障害者補助犬の育成や、身体障害者補助犬ユーザーの施設などの利用がスムーズに行われ、身体障がい者の自立や社会参加の促進に役立つことを目的に制定されました。
Q:どんなことを 決めているの?
A:
☆受け入れ義務
国立大学や国立博物館、役所や郵便局など、国や地方公共団体等が管理している施設・バスや電車、飛行機、船、タクシー等の公共交通機関やこれらの事業者が管理する施設・ホテルやデパート、レストランなど不特定かつ多数の人が利用する施設、従業員56名以上の事業所で
は、身体障害者補助犬の受け入れを拒否してはいけません。
☆都道府県・政令指定都市・中核市のしなくてはならないこと
補助犬ユーザーや受け入れ側施設の管理者、事業者からの相談・苦情を受け、助言や指導、必要に応じて補助犬育成団体等に対して資料の送付、情報の提供、その他の協力を求めるなどの機能をもった相談窓口を設置しなければなりません。
☆補助犬訓練事業者のしなくてはならないこと
身体障害者補助犬としての適性を有する犬を選択すること、医師、獣医師等と連携しながら、補助犬を使用しようとする障がい者の状況に応じた訓練を行うことにより、良質な身体障害者補助犬を育成しなければなりません。
☆補助犬ユーザーのしなくてはならないこと
補助犬が他人に迷惑を及ぼすことがないよう、その行動を十分管理しなければなりません。また、補助犬を清潔に保つとともに、予防接種及び検診を受けさせることにより、公衆衛生上の危害を生じさせないよう努めなければなりません。
☆国民のしなくてはならないこと
身体障害者補助犬を使用する身体障がい者に対し、必要な協力をするよう務めなければなりません。
Q:できて 何が変わったの?
A:盲導犬との生活が始まり、「出かけたい時に、出かけたいところに、安全に出かけられるようになった」という盲導犬ユーザーの声をよく聞きます。しかし、出かけた先で盲導犬の同伴を断られてしまったら、盲導犬がいても行動範囲が拡がったことにはならないでしょう。
誰もが当たり前に出かけられるところは、そこが飲食店であれ、病院であれ、盲導犬ユーザーも当たり前にでかけ、利用したい。「身体障害者補助犬法」は、それを保障する大切な法律です。この法律を本当に効果のあるものにするために、市民一人ひとりのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
更新日:2012-01-04
京都ライトハウス「らくらく」は、介護が必要な方等に、食事・入浴・レクリエーションなどのサービスを提供する生活介護事業所です。約半数が視覚に障害のある利用者です。
吉田さんが盲導犬をもたれると聞き、一緒に来所される予定日の2週間ほど前から、他の利用者さんに向けて盲導犬についての情報提供の場を持ちました。中には盲導犬についてほとんどご存じない方もおら れましたが、職員が説明するだけでなく、視覚障害をお持ちの利用者さんが他の利用者さんに説明を始められたりというようなこともありました。
活動スペースも食事スペースも同じワンフロアなので、盲導犬の待機場所をどこにするかが一番考慮した点ですが、盲導犬協会の担当職員とも相談しながら今の場所に決めました。
盲導犬を連れて利用されるようになる前と利用されるようになってからとを比べてみると、「らくらく」の利用者さんの中で変わった点は特にありません。「盲導犬を連れて来てはる」ということはお伝えしていますが、皆さん「らくらく」でいつも通りに過ごされています。
(京都ライトハウス生活介護事業所らくらく 主任 木原智徳さん)![]()
サンデーと暮らすようになって2ヵ月ほど。友人の家などいろいろなところに出かけています。
京都ライトハウス「らくらく」には、週に1回、市バスに乗って通っています。バスをおりると、どこに行くのか「心得てます」とばかりに私が指示しなくてもライトハウスの入り口に向かって歩き出します。
先日、バスに乗っていた時のこと。私が「ダウン」「アップ」などの指示を出していると、「ほら、ダウンやで」と横から犬に対して口を出してくる人がいました。私からの指示でないことはわかっていてもそういう言葉には反応してしまいますので、とても困りました。
盲導犬に黙ってさわる人もまだいますね。「さわらないでください」と言うと「さわったらあかんのか!」と逆に言い返す人がいるのには驚きます。
盲導犬にはさわったり声をかけたりしない、こういったことはマナーとして、皆さんにもっと知っていただきたいと思います。
(京都市 吉田周二さん)
更新日:2012-01-04
表紙のお話 【教会にて】
学校を卒業してからずっとこの教会に通っています。
1頭目の盲導犬ブリジェットとの訓練を受けるために渡米したのが、ちょうど40年前の夏休みの時のこと。今の牧師さんの前の前の時でした。それ以後、ずっと盲導犬といっしょですから、教会に私が盲導犬と来ていることは、もう当たり前のような感じになっているんじゃないでしょうか。新しく通ってこられる方の中には、「犬がいる」と驚かれる方もいるけれど、すぐに慣れてくださるようです。
引っ越してからは教会には車に乗せてもらうため歩いては行きませんが、オニールとよく出かける近所の交差点で、1ヶ所どうしても信号がわかりにくいところがあります。車の音を聞いて判断するようにしていますが、時には車が全く来ないときに横断していく人の足音が聞こえることがあります。でも、健常者は赤でも渡ることがありますよね。そういう時は、本当に困ってしまいます。渡るときにちょっと声をかけてくださったら嬉しいですね。( 奈良県 清水 佳子さん)
今は車で教会に通っていますが、以前はどちらも教会から歩いて10分ほどのところに住んでいましたので、いつも私たち夫婦と三人一緒に歩いて通っていました。清水さんといっしょに通うようになるまでは、目の不自由な方と一緒に出かけるという経験はありませんでしたが、どういうふうにしたらよいのか、清水さんに教わりながら自然に慣れていったように思います。
礼拝が始まるまえにCS礼拝といって子どもたちの礼拝があります。いつも私たちはCS礼拝にも参加しています。中にはやんちゃな子もいますし、盲導犬にさわりに来る子もいますけれど、清水さんやまわりの大人たちが「仕事中はさわったらいけないんだよ」といったことなど話すようにしています。
CS礼拝に通っていた子どもたちの中には、成長してやがて礼拝に通うようになった若い人たちもいます。子どもの頃から礼拝の時にいるのが当たり前の清水さんと盲導犬ですから、自然なこととして受け止めているのではないでしょうか。( 奈良佐保キリスト教会信徒 黒田 洋さん)
更新日:2011-11-20
皆さんは、秋といえば、食欲の秋? 読書の秋? 芸術の秋?
いろいろな秋の楽しみ方がありますが、今回は、様々なスポーツを楽しんでおられる盲導犬ユーザーさんにその魅力についてなどお尋ねしました。
更新日:2011-11-20
東日本大震災にあたって
この度の東日本大震災により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申しあげますとともに、被災された皆様に対しまして、謹んでお見舞い申しあげます。
私たち関西盲導犬協会は、昨秋に法人設立30周年を迎え、「さあ、はりきって頑張ろう」という矢先の震災でした。私たち自身も節目を迎え、大変な時期ではありますが、これまで多くの皆様に支えていただいた「ありがとう」の感謝の気持ちを込めて、微力ながら復興支援に協力させていただく所存です。
公益財団法人 関西盲導犬協会
更新日:2011-07-02
表紙のお話 【 病院で 】
滋賀県 濱本 捷子さん
盲導犬と歩き始めた16年前と言えば、私もかなり若くて元気だったから楽しいお出かけばかりが多くて、病院へ通うことなどほとんどなかったような気がします。
けれども寄る年波には勝てません。加齢のための病院通いが増えてきます。今年2月には右膝の人口関節置換術を受けました。只今はその術後のリハビリのために整形外科へ通院中です。
病院への道を歩いていると、集団登校の班長さんらしきおにいちゃんから
「濱本さぁん! 真ん中、歩いてます!!」
と声がかかります。車道の真ん中を歩いてしまっている私とドゥーリーを、みんながしっかり見てくれているようです。
病院での盲導犬受け入れも、好意的に対応してもらっています。小児科受診の小さい子が泣いています。すると、お母さんが、
「ほら、ワンちゃんがいるよ」
と教えています。その子が、おとなしくダウンしているドゥーリーを見て泣き止んだりしてくれたりすると、私まで嬉しくなったりします。
「ここに盲導犬がいる」 それが当たり前という雰囲気がうれしいです。
大津赤十字志賀病院 藤田 義嗣先生
最初に濱本さんが盲導犬を連れて病院にいらしたのは、患者としてではなくボランティアグループのメンバーの一人としてでした。入院されている患者さんのレクリエーションとして、病院のロビーでハンドベルのコンサートをする時に、「盲導犬を連れて入れますか」と問い合わせてこられました。
当時は、まだ身体障害者補助犬法もできておらず公共施設でも補助犬が認知されていない時代でしたから、病院
に盲導犬を入れることが差し支えないか、少し病院と掛け合った記憶はあります。
患者さんとして来院された時には、すでに補助犬法が施行されていましたから、盲導犬を同伴して来院されることについて問題になることはありませんでした。その前後に「補助犬同伴可」のステッカーの用意はしましたが。
補助犬法が施行されて10年近く経つわけですし、公共施設に盲導犬や介助犬を連れて来ているのが当たり前の風景になってきていると思います。病院であっても、法律に従った対応をすれば良いだけだと思いますよ。
更新日:2011-07-02
ふたりいっしょなら:新人ユーザーさんのお話
盲導犬をいつかは持ってみたい、と思っていましたが、持つ自信がありませんでした。歩くことに対しても自信はなかったですし、盲導犬を持つのは 中途失明の人が多いと思っていましたから、私にやっていけるかな? と思っていました。
でも、白杖で歩くのは疲れます。白杖はぶつかりながら歩くことになるので、精神的にもしんどいです。そんな話をしていた時、友達が盲導犬を勧め てくれました。盲導犬ユーザーの友達も「盲導犬がいたら元気になれる」と言ってくれ、盲導犬との体験歩行をしてみることになりました。
更新日:2011-04-01
【職場にて】
○ユーザーのコメント
白杖で歩くのは怖かったし、盲導犬を持ちたいという気持ちはありました。でも、まず就職することが先決と思っていました。ところが、就職のための面接で、「どうして盲導犬を連れていないの?」と逆に院長先生に聞かれ、院長先生に背中を押されるようにして盲導犬ユーザーになった感じです。
病院での仕事なので特に衛生面では気をつけています。直接患者さんと接しないような場所に盲導犬を待たせています。また、勤務時間中はもちろん盲導犬のために仕事の時間を割かないよう、すべては休み時間か仕事の前にすませておきます。
毎日の通勤では、JRとバスを利用しています。いつも利用しているバス停は、いろんな行き先のバスが着きます。アナウンスは流れますが、聞き取りにくいこともよくあります。またバスがきちんとバス停の前に着かないこともあります。そんな時、「○○行きのバスが来ましたよ」とかバスのドアがある方向を教えてもらえたら助かります。
○受け入れ側のコメント
以前勤務していた病院に盲導犬ユーザーの患者さんがおられました。その方とお会いしたのがキッカケになり、リタイア犬ボランティアを始めました。10年前、このクリニックのオープニングパーティの時にもリタイア犬はいましたし、このクリニックでは、毎年盲導犬支援のためのバザーをしています。だから、クリニックに来られる患者さんもクリニックのスタッフもわかってくださっているのでしょう。スタッフが盲導犬を連れて通勤するようになったからといって、特に問題はありませんでした。
むしろプラス面は多いと思います。話題が盲導犬のことになるとスタッフも和んでくれるようです。
衛生面でも問題はありません。特にここは物療室と診療室が別になっています。患者さんの動線とスタッフの動線を分ければ、犬が嫌いという患者さんがいても犬を直接見ることはないですし。スペースを分けるといった物理的な余裕がないようなところでも、時間的に動線を分けることは可能でしょう。案ずるより産むが易し、ですよ。
小川クリニック 小川一也院長
http://www.kyoto.zaq.ne.jp/ogawa-clinic/
☆街で盲導犬ユーザーに出会ったら? 【バスの停留所で・・・】
ちょっと想像してみてください。もしバスが行き先表示をつけずに運行していたら、と・・・。バスがバス停に到着して、ドアが開き、音声案内が流れ出し、そこで初めてどこ行きのバスが来たのかがわかる状態でバスを待たなければいけないとしたら・・・。とても不便ですね。
視覚障がい者が同じバス停でバスを待っている時は、バスを待つ人の行列やバスの乗降口の位置などの周りの様子、どこ行きのバスが来たかなど、声をかけて知らせてください。
更新日:2011-04-01
更新日:2011-01-05