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活動予定・報告

活動報告

2016年09月21日
協会日記123 テラスでのインタビュー6(9/21)

テラスでのインタビューのつづきです。

(問い) 今回のインタビューでちょっと気になったことがありましたので質問です。何か起こったときに犬自身に問題を解決させるのでなく、人が介入して、人に頼ればいいんだということを覚えさせるとのことですが、訓練の中で、犬が判断に迷った時に「この場合、どうしたらいいの。」と、人に聞いてくる犬になってしまうことがあります。具体的な例として、歩行中に障害物に出くわしたとして、それを避けるときに、右から避けるか、左から避けるか、どっち側に避けたらいいのか犬が判断できず、結局、立ち止まってしまって、人の顔を見上げて「どうしよう。どっちに避けるか教えて。」と聞いてくる犬がいます。犬が率先して、避ける方向を判断して、目の見えない人を誘導しないと盲導犬としては役割を務めることができません。変に人に頼ることを覚えてしまった犬は、犬自信が判断して誘導するということができないことが多いです。テラスで人に頼ることを教えていると、盲導犬として率先して人を誘導するということにマイナスの影響が出るのではないでしょうか。

(答え) 問題行動は、そばにいる人のことはお構いなしに犬自身が勝手に判断して行動を起こすことだと思います。人に頼る、人が介入するということは、「あなた(犬)の横には、いつも私(人)がいるから。」という人への意識を犬に持たせることです。それが犬の誘導力のマイナスになるとは思えないし、むしろ盲導犬として、「人と一緒に歩いている」という意識をもっていることは大事なことだと思う。テラスで犬に教えているのは、「人と犬との信頼感」であり、それは言い換えると「どんな時でも、犬は人を意識して、人は犬を意識する」というところです。仮に今のテラスのやり方が、盲導犬としてマイナスになるようなことだとしたら、やり方を変えないといけないと思いますが、この半年間、むしろ歩行の訓練的にも良い結果が出てきていると感じています。

(問い) 「人への意識を持つ犬にする」ことと、「人に頼ってしまう犬にする」ことは、訓練的にはとなり合わせ的な、とても微妙なところだと思う。その境界線をスタッフが認識していないと、盲導犬としての適切な訓練はできないと思うので、良い結果が出始めているということは、そのあたりは心配しなくて大丈夫ということですかね。

(答え) 木香テラスでは、いろいろなことが試行錯誤。私たちも犬たちと同じで、毎日が訓練、鍛えられています。

写真は、朝の食餌の様子。落ち着いた犬一頭一頭にエサの入った食器を配って行きます。

DSC_1786.JPG

つづく。

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