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盲導犬を知る

盲導犬の普及と活躍

日本と世界の盲導犬普及の違い

国内の視覚障がい者数約31万人に対して、実際に活動している盲導犬使用者の数は1073人です(2010年3月末現在)。明らかに少ないというのは分かりますが、どのくらい少ないのでしょうか?下の表は、「盲導犬普及率(人口100万人あたりの盲導犬ユーザー数)」を国別にあらわしたものです。

各国の盲導犬普及率(人口100万人あたりの盲導犬ユーザー数、2009年4月現在)

これを見ると一目瞭然、欧米の国々とは大きな開きがあることが分かります。特にイギリスとは、10倍近い差をつけられています。日本がイギリス並みの普及率があるとしたら、盲導犬ユーザーは1万人を超えているわけです!盲導犬の数だけではありません。日本では、視覚障がい者が盲導犬を申し込んでからお渡しするまでの待機期間は約1年ですが、イギリスではたったの3ヶ月です。盲導犬福祉全体に、大きな開きがあるのです。

しかし、イギリスやアメリカとは、何がそんなに違うのでしょうか?ポイントは3つほどあります。

  1. ペット文化が違います。欧米では、犬と家の中で、家族として生活するというスタイルというか文化が根付いています。中〜大型犬でも、家の中で飼われているケースが珍しくありません。まさにコンパニオン・アニマル(伴侶動物)の文化です。一方、日本では「ペットを買う、飼う」という域から脱しきれていない部分が多いように思われます。
  2. 畳文化という違いがあります。つまり、日本では玄関で靴を脱ぎますが、欧米では土足が基本です。しかも、日本の畳は犬の爪に弱く、ささくれ立ってしまうため、特に日本旅館などでは盲導犬ユーザーが宿泊拒否されてしまう例があとを絶ちません。
  3. 繁殖の質が違います。「犬が盲導犬になるまで」のページでも書きましたが、産まれた仔犬が盲導犬になるかどうかは、90%以上生まれ持った性格(遺伝子)にかかっています。つまり、繁殖の質が高ければ、盲導犬育成の効率が飛躍的に伸びるのです。例えば、盲導犬先進国イギリスでは、10頭訓練すれば、7頭は盲導犬になります。日本では、3頭しか盲導犬になりません。これは、訓練士の技量の問題ではなく、繁殖の質の問題です。もとをたどれば、ラブラドールなどの犬はもともと欧米が原産で、あちらには優秀なブリーダーさんがたくさんいますが、日本で良い繁殖犬を見つけるのは、至難の業なのです。動物検疫などの関係で、欧米から自由に犬を輸入することは難しいため、最近ではオスの繁殖犬の凍結精子を輸入するなど、さまざまな試みがなされています。日本はこんなところでも、資源小国なのです。

アジアの中のニッポン

とはいえ、アジアでは日本は盲導犬先進国です。アジアの国々の中で盲導犬が活躍しているのは、日本、韓国、台湾のみですが(中国は準備を進めています)、盲導犬の歴史の浅い韓国や台湾では、盲導犬の頭数がそれぞれ80頭、30頭と少ないのが現状です(2009年4月現在)。これらの事から、今後中国や東南アジアの国々で盲導犬育成の黎明期を迎えた時、日本が大きな役割を果たさなければならないと思われます。国内の盲導犬需要に充分こたえつつ、アジア、世界という視点を持つことが、(大変ですが)求められています。

あなたの街の盲導犬

あなたの住んでいる地域で、盲導犬ユーザーを見かけたことがありますか?下の表は、各都道府県で活躍する盲導犬の頭数と、盲導犬普及率(人口100万人あたりの盲導犬ユーザー数)です。各国のグラフにもありましたように、日本の平均は8.2くらいです。貴方の地域はどうでしょうか?盲導犬の普及にも地域格差があることが分かりますね。全国どこでも、持ちたいと思う方に出来るだけ早く盲導犬を提供できるようにしかければなりません。そのためには皆さんのお力やお知恵を借りなければいけない部分もあります。ぜひ、ご協力宜しくお願い致します。

都道府県別の盲導犬普及率(2008年3月末現在)

都道府県名普及率 都道府県名普及率 都道府県名普及率 都道府県名普及率 都道府県名普及率
北海道10.5 青森県2.8 岩手県13.7 宮城県4.2 秋田県14.8
山形県7.4 福島県6.2 茨城県6.7 栃木県5.5 群馬県3.5
埼玉県8.2 千葉県6.6 東京都7.9 神奈川県6.9 新潟県10.7
富山県4.5 石川県23.9 福井県4.9 長野県12.3 山梨県14.7
静岡県11.9 岐阜県5.7 愛知県5.2 三重県5.9 滋賀県9.4
京都府6.4 大阪府7.3 兵庫県12.0 奈良県9.1 和歌山県7.7
岡山県8.7 鳥取県9.9 広島県10.4 山口県12.1 徳島県7.4
香川県5.9 愛媛県10.2 高知県11.3 福岡県4.4 佐賀県6.9
長崎県4.1 熊本県8.1 大分県14.9 宮崎県11.3 鹿児島県12.5
沖縄県5.1 島根県14.8         

みなさんへのお願い

もしあなたが、街で盲導犬ユーザー(使用者)を見かけたら、こんなことに気をつけてください。

使用者が困っているときは、一声かけてね。

盲導犬が使用者の行きたい場所を知っていて、使用者を連れて行くわけではありません。使用者は盲導犬を通して周囲のようすを判断し、頭に描いた地図と照らし合わせて、盲導犬に指示して歩いているのです。

もし、交差点や駅のプラットホームの上などの危険なところや、人ごみ、広いところなどで使用者が困っているようすであれば、まず「何かお手伝いしましようか?」などと声をかけてみてください。

誘導するときは正しい方法で。

もし、視覚障がい者の方に声をかけてみて「手引きをお願いします。」と言われたら、あなたの左肘か左肩を視覚障がい者に持ってもらい、あなたが半歩前を歩くようにしながら安全な誘導をお願いします。

使用者の腕や盲導犬のハーネスを引っ張ったり、身体を押したりしないようにしてください。

仕事中は盲導犬に声をかけないでね。

街で盲導犬を見かけたとき、かわいいからといって盲導犬使用者に無断でさわろうとしたり、じっと見つめたり、声をかけたり、口笛を吹いたり、食べ物を与えたりしないでください。

盲導犬が他のことに気をとられると、使用者は大変困ってしまいます。

盲導犬を恐がったり、逃げたりしないでね。

盲導犬使用者は盲導犬といっしょに外出します。ですから、電車やバス、お店の中など思わぬところで盲導犬と鉢合わせということもあるかもしれません。

しかし、盲導犬は、視覚障がい者が安全に安心して外出するためにはなくてはならないパートナーであり、白い杖と同じ役割をもつことをご理解ください。また、まわりの人に向かって盲導犬が突然ほえかかったり、かみついたりすることはありません。

公益財団法人 関西盲導犬協会


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