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季刊誌「ハーネス通信」

2018年01月のバックナンバー

盲導犬ユーザーと京を歩く~試食に技アリ! 七味の調合体験~

七味体験.JPG今回の美味しいもの体験は、ちょっと変わった「香りの試食」です。場所は、南に平安神宮、北に聖護院、京都大学という文化ゾーンの中にある「京都ハンディクラフトセンター」。海外の観光客や修学旅行生が特に多いとのこと。さて人気の秘密は何でしょうか?


案内されたのは、ビルの最上階の7階。エレベーターのドアが開くと、広々とした窓から光が注ぐ、開放感ある明るいフロアです。スタッフの方が笑顔で準備が整ったテーブルに案内してくださいました。足元に広々とラグを敷いてもらい、「はいはい、どうぞごゆっくり」とばかりにのびのびとくつろぐウーリーさん。もう目をつぶっています。
七味の誕生は?
 早速マンツーマンで、「七味の調合体験」がはじまりました。まずは七味の歴史から。「意外に新しいんです。江戸時代です」とのこと。七味とはその字のごとく、7つの味が配合された調味料。唐辛子を基本として、7種類すべてが体に良い成分ばかり。それもそのはず、最初は漢方薬の調合から生まれたのだそうです。だから7種類すべて効能がある健康的な材料ばかり。「なるほど、そういえば..」と納得です。その七味が、江戸の庶民に親しまれていたおそばの薬味として人気が高まって全国に広まったのだそうです。
まずは関西風の七味に挑戦
 いよいよ 作業開始です。まずは基本のレシピ通りに作ってから、好みの味に変化させていきます。今回使う「関西風七味」の7種類は、次のとおりです。
一味...辛みの主成分。唐辛子。どんな七味でも、これだけは欠かせない。ダイエット効果あり。
山椒...ジャパニーズペッパーと呼ばれ、香りが独特。
胡麻...すりつぶすと香りと甘みが出るので、辛さが苦手な人は、多くするのがポイント。
麻の実...すると香ばしさが増す。
陳皮...ミカンの皮だが、ミカンの香りはしない。ビタミンCが多く、美肌効果もあり。
青のり...ミネラル。食物繊維。
青しそ...さわやかな香り。食あたりを防ぐ効果もある。
 ちなみに全国的にはいろいろな七味があり、7種類以外に、例えば しょうがやけしの実、黒ゴマなど、組み合わせも量も違うそうです。
ゴリゴリ・・・
 小さなすり鉢の中に、木のおさじを使って、一つ一つ材料を入れ、混ぜ合わせていきます。すりこ木ですると、いい香り。レシピ通り・・・のはずなのに、「辛いのが好き」「山椒は苦手」と、既にかなりわがままに調合された七味。ここからいよいよ「マイ七味」へ変身させるため、「あるもの」が登場します。
ここに技アリ!
 お盆に乗って出てきたのは・・・湯気があがっているおわん。「中身はおだしなんですよ。まずはお味見をしてください」とのこと。確かに、具のないお吸い物のようです。ここにほんの少し七味を入れて表面に浮かせて、味を確かめます。すると・・・「あ、すごい!□よくわかる。おいしい!」と森永さん。
何度でも大丈夫
 ここからが、好みの香りの追求です。「うーん、もうちょっと辛い方がいいなぁ・・・?」吟味しながら味を足し、調合した七味を、ちょっぴりおわんに浮かべ、味見をすると・・・確かに味は変化しています。前の七味は下に沈み、新しい七味だけが浮くから、何度でも味見ができるというわけです。なるほど~!!□これが技ですね!
完成しました!
 あれを足したり、これを足したり..何度も調合しては、おわんに入れて、味見をした森永さん。「できた!」と満面の笑み。すり鉢いっぱいに出来上がった「マイ七味」は、袋に入れてお持ち帰りです。天然竹で作ったかわいい調味料入れもプレゼント。おうどんおそば以外にも、お味噌汁、七味マヨネーズも美味しいとのこと。「焼き鳥にもよさそう!」とうれしそうな森永さんです。

 体験工房では、七味の調合以外に、京七宝、土鈴人形の絵付け、京こま作り、木版画、匂い袋の調合などいろいろな体験ができます。また京象嵌(ぞうがん)という伝統工芸品の工房見学もできます。「見えなくても楽しめますよ。思いの外、味や香りの変化が分かりやすくて、楽しいんです。説明も丁寧だし、盲導犬も、ゆっくりとくつろげる場所です。七味のこと、詳しくなっちゃいました。手軽にできるのもよかったです。人気の秘密がよく分かりました。おすすめです!」という、森永さんからの一言でした。
京都ハンディクラフトセンター  代表:075-761-8001
京都市左京区聖護院円頓美町17
営業時間 10:00~19:00年中無休(1/1、1/2を除く)
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