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季刊誌「ハーネス通信」

2013年04月のバックナンバー

自販連盲導犬育成基金のご支援ありがとうございます

一般社団法人日本自動車販売協会連合会(略称 自販連)は、1959(昭和34)年に設立された自動車ディーラーの全国組織で、全国に53支部が設置されています。
 1988(昭和63)年に社会貢献事業として会員ディーラー従業員の方を対象に「コーヒー一杯の善意」をスローガンに盲導犬育成基金を計画。その時に得られた募金を元に1990(平成2)年に公益信託自販連盲導犬育成基金を設立されました。盲導犬の育成・訓練・研究、またこれらに関連する事業に対する助成を行い視覚障がい者の福祉に資するという目的のため、盲導犬貸与事業を実施。これまでに各盲導犬育成団体を通じて、合計170頭の盲導犬が貸与されています。


 昨年、自販連盲導犬育成基金から盲導犬トラムの貸与を受けたMさんは、大学等で非常勤講師として働いています。自宅からバス、電車を乗り継いでの通勤や趣味のピアノのレッスンでの移動などMさんの横にそっと寄り添って、自分の役割を果たしているトラム。家庭では、ご家族の介護で忙しい生活をされているMさんですが、通院や入院の付き添いの時もトラムはなくてはならない存在です。ご家族が救急車で急遽病院に運ばれた時も、付き添いで同乗するMさんと共にトラムも救急車に乗ったそうです。
 実は、Mさんにとってトラムは2頭目の盲導犬。1頭目の盲導犬パズとの別れは、Mさんにとって本当に辛いことだったそうです。代替の盲導犬を迎える決断がなかなかできないでいたMさんの背中を押したのは、リタイア犬ボランティアさんがリタイア犬への深い愛情を持ってくださっていること、なにより真摯で誠実なお人柄。それでも本当にこれでよかったのかと何度も迷うMさんの気持ちの中にトラムはスッと入ってきてくれ、パズのいなくなった穴を何も言わずに埋めてくれたそうです。
 Mさんにとってトラムとはどんな存在なのでしょうか。IMG_1108.JPG
 「この子がいてくれるから、友達と会ったり、お買い物に行ったり、普通のことが普通にできる。目が見えるとか見えないとか関係なく、普通の毎日が送れる。いつも一緒にいてくれて、気持ちの面でもやわらぐというか、ゆとりが持て、私にとって家族みたいな存在です。いい子に巡り会うことができ、トラムには本当に感謝しています」

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