ハーネス通信 [ 2011年1月号 ]

ハーネス通信は、関西盲導犬協会と盲導犬ユーザー、そして支援者の皆さんをつなぐ季刊誌です。年4回発行され、点字版、録音テープ版と紙刷り版があります(文章の内容は同じです)。ここでは、「ハーネス通信」の一部をインターネット版として掲載しています。ご意見、ご感想はこちらまで。

岡本祐己の韓国研修報告

 半年間の韓国での研修を終え、昨年10月の末に日本に帰ってきました。
 今回の研修の目的は、従来の訓練手法とは違う「クリッカー」を利用した訓練手法を学び習得することでした。
 クリッカーとは、指で押すと「カチッ」と音のなる道具です。従来の訓練方法で使う「グッド」と同様、犬の行動を肯定するときに使います。どういうふうに使うかといいますと、犬が好ましい行動をとった時に、クリッカーのカチッという音とトリーツ(犬にとってごほうびになるものとして主にフードを使用)を与えます。ただ、あくまで訓練の導入として使いますので、最終的にはトリーツ・クリッカーなしで犬が自発的に行動できるように訓練していきます。
 韓国のサムスン・ガイドドッグ・スクールの指導員で、以前、当協会で研修しておられた李成珍さんはこのクリッカー訓練を取り入れておられます。3年間訓練手法として一定の成果が得られたから見に来ないか、と誘っていただき、小芦訓練部長と視察に伺ったのが、今回の研修が始まる大きなきっかけとなりました。
 サムスンのスタッフと半年間、一緒に働いていて、日本と違うなぁと感じたのは、職員の業務分担のあり方でしょうか。指導員は共同訓練とフォローアップ、訓練士は訓練、犬舎担当は犬舎管理、といった感じで兼任はあまりありません。指導員が2名、訓練士が5名、犬舎担当3名、パピー担当3名、繁殖1名のスタッフがいます。そのほか企画部という部署に5名のスタッフがいて、見学会や共同訓練希望者の見学対応、ユーザーの相談、啓発などを担当しています。そして今年度はすでに12名の共同訓練が修了しています。また、犬舎は機能的に作られていて、とても作業しやすくテトラ障害物.JPG、うらやましく思いました。
 韓国で私は、日本から連れて行った訓練犬2頭と韓国の訓練犬1頭を担当し、実際にクリッカーを用いながら一通りの訓練を学びました。まだ基本を学んだに過ぎないので、これから訓練の中で経験を積み、他の職員に学んだことを伝えながら、結果を出していきたいと思います。ただ、クリッカー訓練も万能な訓練手法ではありません。今ある訓練方法とあわせ、犬に負担なく、犬の自発的な作業能力を高めることができるよう、その犬に合った訓練方法を考えていきたいと思っています。

更新日:2011-01-05

ユーザーと共に(ハーネス通信新年号表紙のお話)

【レストランにて】

☆ユーザーのコメント

 ある日、電車に乗っていたら、たまたまマスターのお母さんと隣り合わせになりました。犬がお好きな方のようで、いろいろと話をしていると、オープンしたばかりの息子さんのレストランの前をよく盲導犬を連れた方が通られるという話になりました。レストランの場所を聞くと、私の家のすぐ近く。つまり息子さんのレストランの前をよく通っていたのは私だったのです。お店は以前、薬局だったところで、私はそこがレストランになっているとは知らなかったのです。それから散歩の帰りにお店に立ち寄らせてもらうようになりました。
 あの時、電車の中でマスターのお母さんと盲導犬のことなどおしゃべりを楽しみましたが、電車が京都駅に着いた時、京都駅の一番端にある嵯峨野線に乗り換えると聞いて、「一番奥のホームだからご一緒しましょうか」と言ってくださいました。「慣れているホームなので一人で大丈夫です」と言ってお別れしましたが、そういった声をかけてくださるのは嬉しいですね。

☆受け入れ側のコメント

 家族もみんな犬が好きということもあって、盲導犬を連れてお食事に来られることについては、全く気にしていませんでしたHP.JPG。これまでも、店内に犬がいるからと嫌がるお客さまはおられないですね。逆に、「話しかけたらダメかなぁ」とか「さわりたいなぁ」などとお話しされながら、ずっと盲導犬のことを気にしておられるお客さまはおられます。そんな時は、ユーザーの了解を得てからさわるように、ユーザーさんとの橋渡し役になったりしています。
 以前に聞いた話ですが、ある子どもが親に内緒で犬を飼っていて、それが見つかり、親に「犬を捨ててきなさい」と言われたそうです。そしたらその小さい子どもが「なんで犬は人間を助けるのに、人間は犬を助けないの」って。その言葉がすごく印象的で。クーちゃん(盲導犬の名前)も人間を助けて生きててくれているし、人間もみんなが助け合って生きていけたら、そして、お互いに助け合う人間と同じような感覚でみんながクーちゃんのことを考えていけたらいいんじゃないかなと思います。
  Clap dining(滋賀県彦根市開出今町1588-2)
  TEL/FAX.0749-23-0803

☆街で盲導犬ユーザーに出会ったら? 【電車の中で・・・】
 電車のドアの近くに視覚障がい者が立っているのを見かけたことはありませんか。駅に着いた時に電車から降りやすいように、車内の奥の方に入らずドアの近くに立つようにしているという視覚障がい者もおられます。でも、空いている席を見つけられないのでとりあえず立っている、という方もおられます。
 電車やバスの中で立っている視覚障がい者がおられたら
「空いている席がありますが、お座りになりますか?」
声をかけてみてください。

更新日:2011-01-05

公益財団法人 関西盲導犬協会


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