1頭の盲導犬を訓練して世に送り出すために必要な費用は、およそ250万円です(人件費のぞく)。
なぜこんなにお金がかかるのか、疑問に思うかもしれません。
これには大きく4つの理由があります。
1.仔犬の出産から引退犬の健康管理サポートまで、一貫して管理している(ステージごとに備品、医療費などがかかる。たとえば、関西盲導犬協会では、引退犬への高額医療費の負担を実施しています。)
2.10頭の犬を訓練しても、盲導犬になるのは3〜4頭である(1頭あたりにかかるコストが増える)
3.関西を中心として、関東〜中四国の広い地域にわたって盲導犬を提供している(フォローアップなどを行なうための移動費、車両費や燃料費がかかる)
4.盲導犬は目の不自由な方に無償で提供されている(約90%の経費を寄付でまかなっている)
1と2については、他の盲導犬育成団体と犬の繁殖面で協力することで、業務の合理化を図っています。
また、こうすることで、盲導犬に向く血統をより効率的に繁殖する事が可能になります。
しかし、そうは言っても、盲導犬に向く犬を繁殖することは簡単ではありません。
盲導犬に向く犬とは、
・人と一緒にいることが好きで、
・落ち着きがあって扱いやすく、
・自信をもって人を誘導することができる犬、
少なくとも、この3つの条件を満たさなくてはなりません。
重要なのは、この3つの要素は、訓練ではどうにもならない(ことが多い)ということです。
人と一緒にいることを好まない犬、落ち着きがない犬、自信のない犬、を訓練で変える事は難しいのです。
ですから、この3つの要素を「生まれつき」持っている犬を繁殖する事が最も重要です。
ちなみに、上の3つの要素を人間にあてはめて考えてみると面白いです。
・他の人と一緒にいることが好きで、
・落ち着きがあってクセがなく、
・自信をもって人々を導く事ができる人、
こんな人物が10人に3〜4人もいるでしょうか?
(偉大な指導者のように聞こえますね)
さて、盲導犬の育成に費用がかかる4つの理由の3番目、「広いエリアにわたって盲導犬を提供している」については、ユーザーさんのニーズがあってこそです。全国には10の盲導犬育成施設がありますが、関東や中四国のユーザーさんでも、関西盲導犬協会の盲導犬を希望する方々がおられるのです。クオリティを最優先する姿勢が、評価されているものと思います。
最後に、目の不自由な方(視覚障がい者)に無償で盲導犬を提供することは、1980年の創設以来、関西盲導犬協会が一貫しておこなってきました。少しでも多くの視覚障がい者の方々に、盲導犬と歩く快適さを感じて欲しい、そのためには、経済的負担が足かせになってはいけない、私たちはそう考えます。1セット3万円もするハーネス(胴輪)も、リードも、無料で支給します。
それでは、何にどのくらいの費用がかかっているのか、具体的に例示してみます。
・1頭の犬が1日に食べるドッグフード(仔犬の場合粉ミルク)の費用は、1日約200円。
・訓練のために必要なリード(引き綱)は、1本約2千円。
・毎年犬たちに接種する混合ワクチンにかかる費用は、1頭あたり約5千円。
・視覚障がい者と盲導犬をつなぐハーネス(胴輪)は、1セット約3万円。
・訓練犬たちに快適な環境を提供する、犬舎の冷暖房費は1ヶ月約20万円。
・犬のブラシ、シャンプー、ドライヤー、業務用掃除機、障害物など犬具一般に、年間130万円。
・出産から引退犬の医療費補助まで、すべて合わせた年間の医療費は、約500万円。
そのほか、犬に直接関係のないところでも、実にさまざまなお金がかかっています。
・盲導犬について皆さんに知って頂くための普及啓発活動に使うチラシや車、交通費。
・このブログを書くためのパソコンやホームページ作成費。
そのほか、あたりまえですが、普通の会社にあるプリンターや電話や机や椅子、キャビネットからエアコンまで、盲導犬協会の事務所には必要です。
このように、「盲導犬を訓練する」といっても、そう簡単な話ではない、ということが分かって頂けたでしょうか?本当に盲導犬に向いた犬だけを、必要としている視覚障がい者に提供するために、これからも頑張ります!
皆さんも、ぜひとも盲導犬の育成を応援して下さい。
関西盲導犬協会では、安定的な盲導犬育成を支える「賛助会員」の3,000名加入を目指しています!
※関西盲導犬協会では、皆さんからのご寄付を盲導犬育成のために、大切に使っています。
すべての役員はボランティアで活動し、官公庁からの天下りは過去にもありません。




